1始まりの調べ

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食が進めば、会話も進み、料理もあと少しだけになっていた。 窓の外に目を向けると、まだ雪が降っているようで、ヒラヒラと白い塊が舞い降りてくる。 「まったくやむ気配がないな。 こんなにこの町で降るなんて珍しいんじゃないか?」 「確かにな。 でも、これで今年もスノボー出来んじゃんか。 週末とか、予定空いてたら行かねぇか?」 「あ、あたしも行きたい! 週末は休みになってるから」 とんとん拍子で話は進み、今週末にスノボーをしに行くことが決まった。 帰ったら、ボードとウェアの確認でもするか。 ふと、俺が思い出したかのように話す。 「話は変わるんだが、最近、不思議な夢を見るんだ」 俺がそう言うと、二人が声を揃えて夢?と聞き返して来る。 普段なら、特に覚えていないせいで気にはしないんだが、はっきりと鮮明に覚えているんだ。 「夢くらい誰だって見るだろ? そんなに不思議な夢なのか?」 「ああ。 不思議なもんでさ、いつも決まって同じ夢を見るんだ」 始まりは、いつも同じで、場所が……そうだな、まるでファンタジーもののゲームに出てくる神殿みたいなところにいるんだ。 そこでは、手も足も感覚はあるんだが動かせなくて、かろうじて目で周りを見回すことくらいしかできない。 見回してみると、両脇に柱が何本も立ち並んでいて、奥の方は暗くて何も見えないんだ。 だけど、俺の周りだけすごく光っていて、足元を見ることが出来た。 どうやら、神殿の祭壇みたいなところにいるんだろうな。 床には、タイルが敷き詰めてあって、所々によく解らない文字と絵が書いてある。 そこから、視線を少しずつ上に動かしていくと、天井に天窓みたいな穴があって、黄色い月と青白い月が見えて、そこでいつも夢は終わるんだ。 「……てな感じなんだが、どうだ? っていわれても、どうも答えようがないだろうけどな」 最初は何を言っているのか分からないような顔をしていたが、話が進むにつれて真剣な顔になってきて、聞き入っていた。
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