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「お願いだ...生きてくれ...俺の分も...光の分も...翔の分も...」
「ふざけるな!
そんな身勝手な願いなど聞かない!」
「身勝手なのは...分かってる...でも頼む...じゃなきゃ...光に顔向け出来ない...。
これが...俺なりの贖罪なんだ」
か細い声の筈なのに、流弥の声は力強く、光輝の心に強く響く。
流弥のあまりの力強さを前にして、光輝は言葉を失ってしまう。
「...ごめん...な...。
お別れだ...」
流弥の体の全てが光の粒子となり、空へと昇っていく。
夜空へ昇っていく様は、光の川のように美しく、どこか儚い。
光の粒子が完全に消え、夜空が暗さを取り戻す。
結局光輝は流弥が消えてしまうまで口を開くことすら出来なかった。
「ふざけるなよ...」
ぽつり、と小さく、だが力強く呟く。
「ふざけるな!
私は諦めないぞ!」
力強く言い放った光輝の目には、強い意思の炎が宿っていた。
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