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「失敬な!
僕はこれでも偉い神様なんだぞ!」
亀甲縛りをされ、天井から吊るされた状態で尊大に叫ぶ。
「黙りやがってください」
「あひぃん!」
鞭がしなり男の体を叩く。
バチィン、と痛々しい音がしているにも関わらず、男は煌々とした表情をする。
「申し遅れました、私トリアナと申します。
そこで喘いでいる神の補佐をしている天使です」
「...どうも、一条流弥です」
「はい、存じ上げております。
私共がここにお呼びしたのですから」
トリアナは、神(仮)を完全に放置して話を続ける。
「いくつか質問したい、俺は死んだ筈なんだが」
「ええ、死にましたよ。
鉄骨とコンテナでズタボロにされて」
これを聞き、流弥は自分の記憶が正しいことを確認する。
「何故ここに呼ばれた」
「それについては僕が説明しよう!」
いつの間にか亀甲縛りを解いていた神(仮)が、トリアナを押し退けて流弥の前に出る。
「気安く触らないでください」
「くひぃ!」
鞭で殴られ、後ろへと下がらせられる。
部下である筈のトリアナに、触れただけで殴られる神(仮)。
本当に神なのかという疑問が、流弥の中で強くなる。
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