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「左です!」
「分かってる」
流弥と呼ばれた青年は無理矢理に体を捩り、先程まで立っていた場所から移動する。
流弥が移動した刹那の後、流弥が立っていた場所に弾丸が複数突き刺さる。
弾丸の勢いは凄まじく、コンクリートすら粉砕する。
弾丸の雨の間を一気に駆け抜ける。
距離を取り、倉庫の壁を盾にして一息つく。
「距離は…問題ないな」
流弥は銃を手に壁から飛び出し、直ぐ様三回連続で引き金を引く。
放たれた三つの弾丸は、遠くからこちらにライフル弾を撃ち込んできていた三人の眉間に突き刺さる。
流弥は一切狙っていないように見えるにも関わらず、弾丸は吸い込まれるように飛んでいく。
三人の眉間から鮮血が舞う。
三人共、まるで電池が切れたかのように崩れ落ちる。
「次は、後ろか」
迷い無く放たれた弾丸が夜の闇の中へと吸い込まれる。
暫くすると鮮血が舞い、闇の中に赤い花が咲いた。
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