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「…ん…ここは…」
ルトが目覚めると、そこは見たことのない家具の並ぶ部屋だった。
「おや、ようやく目が覚めたか」
体を起こすと、部屋の隅から老人の声が聞こえた。
その老人はゲームでよくあるようなローブを身にまとい、一本の杖を持っていた。
そして一番の特徴は、耳が長くとがっていることだ。
「大丈夫か? お主、森で倒れていたんじゃぞ」
「森? え、俺確か学校にいたはずじゃ…」
「旅の者か? ここらでは見ない格好だが… わしはグラ。この村で一応村長をしておる。」
どうやら服は普段のままのようだ。下を見ると着なれたパーカー姿の自分がいた。
「あ、俺はルトです。え…っと、ここはどこですか?それに旅の者って…」
「この村はエルフェン。エルフ達の住む村じゃ。位置的にはポートラインの北西の森の中じゃな。お主はそっちから来たのではないのか?」
「いやあの、俺さっきまで東京にいたはずじゃ…」
グラはフッと顔を曇らせた。
「そうか。お主も… あの子と同じか…」
状況が把握できず、ルトは首をかしげた。
「ふむ… とりあえず今日はもう遅い。明日詳しく話を聞こう」
そういうとグラは部屋を出ていった。
「…ったく、なんだってんだよ」
ルトは釈然としないまま、再び眠りについた。
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