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「俊介!! いい加減にしろ!朱里! なんで昨日俊介がお前と別れたのかわかんねぇのか!」
優が真琴を抱えたまま私に叫んだ。
「わかる訳ないじゃない!理由を言わなかったんだもの!言ってくれてたら理解してたわ!俊介にビンタ喰らわさないわ!!」
「あ…朱里ちゃん…」
「なによ!」
「ほ、本当に分からないの?俊介君が何で朱里ちゃんに別れを告げたのか…」
「はあぁっ?!分かんないっつってんじゃない! 日本語分かんないの?! ブリッ子が!!」
ブリッ子のくせに、かわいこぶってんじゃないわよ!
ブリッ子にそんなこと言われても分かんないわ!
キモイって思うだけだわ!
「……そう…じゃあ教えてあげるわ……何故俊介がアンタを振ったのか………」
いつもののブリッ子真琴が、低い声で私に言った。
まるで私の知らない真琴がいるような気がした。
「な…なによ…」
真琴は優に降ろしてもらうと、ゆっくり私に(話しながら)近づいてきた。
「いい?俊介はもうアンタの態度についていけないの。男ってね、女と一緒で勝手な奴が嫌いなのよ」
いつも声が震えていたのに…今目の前にいる真琴は震えていない。
本当に別人みたい…
ううん…これが本当の真琴なのよ…
「そ…それが何?」
「分かんないの? 自分勝手の意味が……ブリッ子はアンタだっていってんのよ」
「!!」
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