別れと出会い

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「話ってなに?俊介」 雨の降る日… 私は付き合っている彼氏とカフェに来ていた。 なんでも話があるからって… 「別れよう…朱里」 珈琲を飲もうと、コップを少し飲んだ後だった。 彼氏から言われた言葉に、私は耳を疑った。 今…何て言った? 分からぬまま私は俊介を見つめた。 彼は悲しい顔をして再びこう言った。 「別れよう…今から…」 はい? 別れる? 「な、なに言ってるのよ…別れるなんて…」 「…ごめん…朱里」 それだけ言って、俊介は静かに立ち上がり、私に背を向けて店の出口にへと歩いていく。 「え…? ちょっ…ちょっと待って!! 俊介!!」 まだ状況が読めないまま私は席を立って、俊介を追いかけた。 外は激しい雨が降り注ぎ、傘のない私の全身を濡らしはじめる。 「ねぇ! 待って! 俊介!!」 傘を差してただ背を向けたまま歩いていく俊介。 私が彼の名前を呼んでも、彼は振り向こうとしない。 理由ぐらい聞かせてほしい。 なんで別れるのか… 「俊介!! お願い! 行かないで!!」 何度も叫ぶけど、俊介はもう私と付き合っていた俊介じゃなくなったようで… 全然…振り向いてくれない。 「俊介えええぇぇぇぇっ!」
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