別れと出会い

4/24
前へ
/309ページ
次へ
―翌日― 私は朝起きると、朝御飯を食べずにすぐに学校へ向かった。 お母さんが私を止めるけど、今はお母さんの相手をしている暇なかった。 それは昨日の出来事から始まったのだ。 昨日…俊介に別れを告げられた…あの出来事。 思い出せば涙が出てくる。 だってあり得ないんだもん。 あんなに「好き」と言ってくれた俊介が…いきなり「別れよう」だなんて…言うはずないもの。 「朱里! 雨降ってるんだから傘をさしなさい!朱里!!」 俊介…いや… いやよ… 私を一人にしないで… 「朱里ちゃん?」 「……真琴……」 私の親友…古谷 真琴が青い傘をさして私の前に立ち止まる。 真琴とは家が近い…… 「朱里ちゃん…濡れるわ」 真琴は濡れた手を引っ張り、傘の中に入れる。 けど今の私は濡れてもいい…もう…死んでもいい状態だった。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加