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「真琴!大丈夫か?!」
優は真琴に近づき、傘を肩にかけ、真琴をお姫様抱っこした。
「びしょ濡れだな…学校で乾かすか…?」
「…え…あ…」
真琴は私に顔を向ける。
でも私は二人より、目を合わせている俊介に夢中だった。
「俊介…」
一歩近づこうとすると俊介は一歩後ろへ下がった。
そして……
「それ以上近づくな!」
俊介の言葉に私は足を止めた。
「俊介…どうして…私…こんなにびしょ濡れなのに…」
「自分で濡れたんだろ…!」
自分で濡れた?
なにいってんの…?
「私を濡らしたのは俊介よ!」
「はっ…?」
そうよ、私をびしょ濡れにさせたのは俊介よ。
「昨日の別れを聞かなかったら、こんな…こんな事にはならなかったわ! アンタのせいなのよ!アンタのせいで私は、こんなことになったのよおぉぉ!」
「俊介!逃げろ!」
優が言った直後、私は俊介の頬にビンタをした。
―――バチン!!
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