23人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
―学校―
学校に着くと、保健室に入っていく真琴と優と俊介。
真琴は優に抱えられ、俊介の手には優と真琴の鞄を持っていた。
最低な人だわ…
真琴も…優も。
俊介に鞄を持たせるなんてね。
それに服が濡れてるだけなのに自分で歩かず、男に抱えてもらうって…
足が挫いたとかなら分かるけど…
「っくしゅん!」
忘れてた…
私もびしょ濡れだったんだ。
でも今保健室に入ったら、絶対に私のせいだって言って、鬱陶しい先生に怒られる。
そんなの嫌。
でも…このまま教室に入るのも嫌。
そんなことを思っていると、誰かが私に上着を肩にかけた。
そしてフワッ…と体が浮いて、誰かにお姫様抱っこされた。
「ひやっ!?」
「うわ…結構濡れてるな…」
え?
「早く乾かしてやらねぇとならねぇぜ」
誰?
「そうだな。悪いけど鞄持ってってくれねぇ?」
「ああ いいぜ」
「じゃあ後でな麗(れい)」
「おう」
最初のコメントを投稿しよう!