勇者 語る

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勇者「腕が、足が、指が、目が、耳が溶けていく魔物の悲鳴」 勇者「最初に話したけど、魔王の城に近ければ近いほどに魔物の知能は上がっていく」 勇者「人の言葉でね、俺達の使う言葉でね、泣き叫ぶんだ」 勇者「魔物を食べるって話をしたじゃん? あれはさ、ある意味、まだマシなのかもしれない」 勇者「だってさ、生きるためじゃん。食べないと死んじゃうから殺して食べる」 勇者「動物が動物を殺して食べる。世界の正しいあり方なのかもしれない」 勇者「だけど、魔法使いは違った」 勇者「苦しめたいからコロす。憎いからコロす。コロしたいからコロす」 勇者「狂った殺人鬼のでっきあっがりーってもんですよ」 姫様「う……ひっぐ……」 勇者「ありゃま、泣いちゃった。まずいなー、俺フェミニストなのに。ごめんなー」
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