3人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、優しい僕様は教えてあげるのです。ざっと20人。その程度。黒田くんが頑張ってくれてる成果だね。てことだよ」
意外とここも固定層は少ない。無党派をどこまで引き込めるかだけど、そんなに心配しなくても大丈夫な気がしてきたぞ。
「ありがとうございます。それでは頑張ってくださいね」
ころころ変わる一人称。 飄々とした態度。僕の嫌いなタイプだ。その場から一刻も早く立ち去りたかった。
浅井さんに、いきますよ、と促して竹中くんから離れていく。
「不思議な人でしたね。なんか掴めないーって感じの」
浅井さんはそう言う。確かにそのとうり。なんだかすごく疲れた。
「彼、多分相当性格悪いですよ」
なんとなく根拠と自信があった。あれは性格悪い。
今はまた一階にきている。自動販売機を見つけた。
「浅井さん、喉乾いてません?なんか買いましょうよ」
と自販機の前へ。ドクペが置いてある数少ない自販機で僕は愛用している。
財布をポケットからとりだし中を開く
「は?」
目を疑いました。ええ、疑いましたとも。朝は確かに3000円あったのがいまは紙切れ一枚だけだったんですか。
紙切れを取り出して見てみると。
『取材費として頂戴しました!悪く思わないでね革命家さん 竹中』
と。そう。書いて。いたんです。
僕はため息をついて、浅井さんに、やっぱジュースは無しで、と言ってまた候補者探しに出た
最初のコメントを投稿しよう!