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マシンガントークありがとうございました。すごく長く喋ってくれましたね。まあ大体状況はつかめた。なんだよあの養護教諭。やぶ医者め。
うちの学校の養護教諭名前は山本幹太(やまもとかんた)という。もちろん男である。学校の生徒――主に男子だが――は常々『養護教諭が男とか誰得だよ!大体あいつ男子見るの適当じゃねえかああああ』という意見が絶えず出ているらしい。そんなわけでついたあだ名がやぶ医者だ。
「ほう、俺がやぶ医者か。いい度胸してんじゃねえか」
噂をすればなんとやら。いきなり読心術を使い登場した男こそが養護教諭、山本幹太その人だった。白衣の袖をまくって無精ひげを生やしたどう見てもただのおっさんだ。
「誰がおっさんだオラ。せっかく見に来てやったのに職員室もどんぞオイ」
「……あの先生。そう簡単に人の心って読めるんですかねえ?それにもし読めたとしても黙っておいた方がいいですよ。プライバシーの権利の侵害の対象になりかねませんからね」
さっきもいったがこのおっさんところどころ不思議なところがあるのだ。読心術が使えたり、病院に行かなければならないような傷もすべて学校で処置してしまうという。なぜそんなことができるのかと友達が聞いたそうだがその時の答えが
「ん?まあ俺は『神の手を持つ』だからな。それに一流の医者ともなれば読心術ぐらい使えなくてどうするんだよ」
はい、また読まれましたね。ご丁寧に答えてくださいました。これって思ってる俺だから分かるけどそばにいる人にはただ先生が聞いてもないことをベラベラ喋る変態にしか見えないて言うね。事実さっきから浅井さんは頭の上にハテナを浮かべているようだ。
「まあそうでもいいから早く傷見せてみろ」
そういうと保健室の僕の寝ているベットへずかずかと迫ってきて、そして僕の頭の包帯を取った。
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