執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

23/52

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
「邪魔ですわよ?私の選挙活動の邪魔をする下郎はさっさと控えてほしいのですけど?」 生ける伝説。裏の学校支配者。アリに素手で勝った女。猪木の顎にチョップ喰らわして生きて帰ってきた女。そんな数々のホントかウソかも知らない噂が流れる女生徒。そう、前生徒会副会長、織田麗華その人だった。彼女が取り巻きの一人を殴り飛ばしたのだ。 初めて見たあの日直井から話を聞いて気になって友達何人かに聞いてみたところほとんどが口をそろえて『この学園で関わると1番危ない人間』と口をそろえて言った。 初日に見た印象では確かに喋り方とか振る舞いとかが良いとこでのお嬢様な感じはしたけどどうやらホントにお嬢様みたいで父親が国の総理大臣、織田孝昌(おだたかまさ)というまさかの国のトップの人間らしい。 そんな織田さんの口撃はなおも続く。 「あら聞こえませんでした?今すぐどきなさい。でないとさっき飛んだ彼のようになりますわよ?」 そういうとさっきまで浅井さんの周りに集まっていた取り巻きどもが散り散りに散って行った。 「分かればいいんですよ。あら?まだどかない人がいますね?どきなさい?邪魔よ?」 そう、浅井さんだ。彼女が織田さんの前をどかないのだ。これは何やら嫌の予感がしてきた。 「あの!今の無いんじゃないですか!?通れないならどいてって最初っからいえば良いじゃないですか!なんで人を殴るようなことをするんですか?」 おっと、まさかの反撃。浅井さんこういうとこ優しすぎますね。貧弱とはいえ高校生の男子一人殴り飛ばす腕力って……あながち噂でもないのかもしれないと思い始めてきた。 「あら。ずいぶんと元気がよろしいことで。元気な子は嫌いじゃないわよ?でも私に指図するのだけは頂けないわね。名前を教えなさい?」 「名乗る時は自分からってこれ常識ですよ?」 ていうか浅井さん、反撃して大丈夫なのか……相手は先輩。しかも立候補者じゃないか。 目の敵にされて選挙の裏で不正工作されるなんてことも0%なわけもない。この人はそのくらい軽くやってのけるだろう。この喧嘩速く止めなきゃ僕らが不利になるかも。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加