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「そんな!この人は関係ないですよ!私が売った喧嘩なんですから私を殴れば――」
「そんなこと言わないでくださいよ。浅井さん。あなた立候補者なんですから大事な顔が傷付いたらどうするんですか。その可愛い顔が台無しですよ」
ああ、僕は恥ずかしいことをこの大衆の前でまた言ってるのだろう。でも今は関係ない。
僕は起き上がり織田さんへと近づく。
「女性を殴ろうとするなんてひどい人だ……なんていうつもりはありません。僕が言いたいのはあなたは僕を『ダメ人間』と呼びましたよね?ふざけないでくださいよ?僕がダメ人間?この真田雄太がダメ人間?僕はね確かに特に特徴も無いけどダメ人間なんて言われる筋合いはないんだよ!僕は僕は『革命家』真田だぞ!天才革命家真田だぞ」
「そんな安っぽい異名聞いたことありませんわ」
「だったら見せてやるよ。革命家の力を。誰に喧嘩売ったか教えてやるよ。今度の選挙あんたに勝ってみせる。浅井さんを勝たせて見せる」
「ほう、この私に勝負ですか?いいですよ。受けましょう。負けたら私の命令何でも聞いてよね?」
「こっちこそ。あんたがまけたら全校生徒の前で膝ついてもらうからな」
「たいした自信ですね?受けて立ちましょう」
そういうと織田さんは不敵に笑って玄関の方へと歩いて行った。
時間を見ればもう7時26分。そろそろ諸活動が終わる時間だ。
その場には沢山のギャラリーと僕と浅井さんがいる状況となった。
浅井さんはポカーンと何が起きたのか分からない状況で僕を見ていた。
「浅井さん。僕らも戻りましょう。それと休み時間お邪魔します。お昼一緒にいですか?」
そういうと彼女の目が輝いた。僕にぐいっと顔を寄せる。
「いいんですか!?お弁当の中身とか交換しましょうね!」
「あ、いえそうじゃなくって」
手をぬこうと思った選挙活動本気だしてやろう。絶対あの織田さんに勝つんだ。
「勝つための作戦会議です」
僕は一人決意を固めるのであった。
「え、ああそうですか。分かりました。そうですよね。私も分からないことがたくさん出てきちゃったからもう1回状況の整理もしましょうよ」
「そうですね。では昼休みで」
さあ、本気で行こう。
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