執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

26/52

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
昼休み それは朝ごはんを抜いた者にとっての至福の時。お弁当と言う名の桃源郷にありつける時間なのだ。 お弁当と言ったらわいわい楽しくみんなで食べたりとか外で景色見ながら食べたりとかカップル同士で食べたりといろいろな選択肢がある。少なくとも昼食のことに関してはとくに校則にも載っておらず基本的にどこでどのように食べようが自由なのである。 そして、僕らが選んだ場所は『図書室』だ。 こういう場合屋上がベタなのだろうが屋上はすでに何人かの生徒によって占領されている。だがしかし別に問題はない。逆に好都合ともいえる。昔からなんとかと煙は高いところが好きと言うがそのなんとかがたくさんいるような場所で作戦会議なぞ出来ないからだ。僕は決してなんとかではないから高いところは好きではない。いや、怖くはないよ?好きじゃないだけ。ほんとなんだからね!? そして図書室に到着。図書室には人は何人かいた。そのうち半分以上は多分図書委員会のやつになるのだろう。 僕と浅井さんは席に座りお弁当を広げた。まあ僕は広げたと言っても先程購買で買ったあんパンとコーヒー牛乳だ。浅井さんはお弁当箱を広げている。 「どうです?これすごいでしょう?」 彼女が広げたお弁当箱の中には確かに美味しそうなものがたくさん入っていた。から揚げ、卵焼き、スパゲッティ、ミニサラダ、たこさんウインナーと小学生が飛びつくようなメニューがそろっていた。 「これ作ったんですか?」 「ええ、もちろんです!毎朝自分のお弁当作ってるんですよね。でも今日は朝早かったから手抜きのやつとか有りますけどね。ははは」 彼女はその弁当を自慢げに見せつけてきて笑った。でもまてよ? 「今日も作ってきたんだよね?」 「ええ、もちろんです。お弁当のない日以外で作らなかった日はありません!」 やっぱり。僕が寒さに震えていた中で彼女はお弁当を作っていたみたいです。いや、まあ、良いけどさ……
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加