執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

3/52

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
「お、やってるやってる」 通学路を一緒に歩くノッポな奴。そいつは校門をみてそういった。こいつは僕の友達の直江義之(なおえよしゆき)長身でひょろながいやつだ。身長は190あるとかないとか。そんなこいつの隣を歩く僕は身長158と高校2年にしては小さくこいつの隣に立つと親子のようにも見えたりするらしい。最もこいつと親子はごめんだが。 「なにをやってるんだよ」 おれが義之を見上げてそう聞き返す。身長差があるから顔を見るときは嫌でも見上げて喋る形になってしまうのだ。すると義之はビックリしたような顔で俺に行ってきた 「お前知らないのか?生徒会選挙だよ。毎年春の入学式終わってから2週間選挙運動があってそこで選ばれたエリートが学校を背負ってたつんだよ。お前は頭いいけどいろいろ抜けてるからなあ。まあ立候補しても無理だろ」 「もともと立候補するつもりなんてさらさらないよ」 「だろうな。お前連帯責任とか代表とか前でて演説とか嫌いだもんな。生徒会役員に必要なスキル0だな」 そう言って義之は一人で笑い始めた。こいつめ。 僕は内心ムカつきながらもまあ昔からの付き合いということで許してあげた。わあ僕ってなんて優しいのだろう。 校門の近くに来ると選挙活動をしている人の声が耳に入ってきた。といっても一人で立って喋っているだけなのだが。 「私名前は織田麗華(おだれいか)と言います。前年度2年副会長を行ってきた私です。他の誰よりいち早くこの選挙活動に立候補しました!学園を良くするためにこの私に清き一票を――」 聞き流しながら歩いて校門を通り過ぎる。 「おい聞いたか?」 「なにが?」 突然義之が俺に耳打ちをしてきた。こんな大衆の前で恥ずかしいことを堂々とする奴だな。相手が女の子ならまだどきどきしたものを男なんかにやられても全然うれしく無い。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加