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「怒ったのは殴られそうになったからってのも、もちろんありますよ。立候補者の、ましてや女性のあなたを傷つけさせるわけにはいきません」
ここでコーヒー牛乳を飲む。彼女みたいに続けてバンバン話せるほど僕の喉と口はできていない。彼女は顔が少し赤い。無理もないか。直射日光が当たっているから熱くなったのだろう。
「それよりも僕は彼女が言った『ダメ人間』が許せないんですよ。ほら、まあ誰でもコンプレックスってあるでしょう?それみたいなものです。この世で僕が一番嫌いな人にそう呼ばれていました。『ダメ人間真田』と。僕そいつのこと嫌いで嫌いで仕方なかったんです。あいつのこと思うと今でも……まあ……殺っちゃいたくなりますね」
そいつの顔を心の中でイメージしてしまう。ああ、ウザい。
「何やっても勝てなくって。僕には特徴と呼べるものもあまりなかったし結構言われてたんですよね。で、まあそっから自分なりに特技を発掘しようと思ってがんばっていろんなことをしました。スポーツ、書道、美術。すべてそれなり。中の中だったんですよね」
いろんな人に言われた。
悪く無い
と。僕はにとってそれは自分のコンプレックスを実感しあいつの顔を思い出す引き金になってました。とっても嫌な思い出ですよねぇ。
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