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僕は一息つきコーヒー牛乳を飲む。
ふと彼女の方を見るとお弁当にも目にくれず僕の方をじっと見つめていた。その目からは『続き聞かせて!』と念が飛んでるようにも感じられた。
あと正直な話……そんなに見つめられると上手く話せなくなりそうです。治ったように見えるけど僕は他人と話すのが苦手なんだ。流れに乗せられて浅井さんとは上手く喋れてるけどこうマジマジ見られると恥ずかしくて喋りにくい。
そうだ。あんぱんに語りかければいいんだ。なんて僕は頭が良いのだろうか。僕はあんぱんに視線を向けて続きを切り出した。
「まあそんなこんなで中1の時に長年会ってなかった従兄弟にあったんですよ。昔あったことあるんですけど覚えてなかったみたいで。で、まあ、その……彼が僕の『革命家』の能力を見出してくれたんですよね」
「へぇーお兄さんすごいですね!でもどうやってその革命家って能力見つけたんですか?あ、あと革命家ってどんな能力なんでしょうか?」
僕があんぱんに語りかけていると彼女は質問をぶつけてきた。よし、あんぱんに質問を返すぞ。相手の目は見ずにあんこを見るんだ。
「能力……って言ったらいいのか分かりませんが。よくSFチックな小説や漫画に出てくる能力なんかとは違いますよ。コインを電磁砲にして飛ばしたりベクトル変えたりなんて出来ませんし。まあ、いってみれば特徴ですね。僕の特徴を見つけてくれたんですよ。……ゲームで」
「……えっ。ゲームってテレビゲームですか?それともなんかこうそのお兄さんが『僕と殺し合いのゲームをしよう。勝ったら君が革命家を受け継ぐがいい』みたいなことがあったんですか!?すごいかっこいいです!」
いや、こちらもそんな解釈されるとは思わなかった。多分彼女ボケてるようで真面目にそう思ってますからね。なおさら性質が悪いです。
あんぱんから彼女へ視線へ移すと彼女はさっきのゲームのところで素晴らしい妄想を繰り広げてるみたいです。あれ?もしかしてこの子はぞくに言う厨二病と言うやつなのではないか……?
ほんとに困った人だ。ここまでつかめない人は初めてですね。
コーヒー牛乳を吸って訂正を始める。
「いや、だからそんなFSチックじゃないですって!殺し合いなんかしてないし闇のゲームもしてないです!ちゃんと生きてますから!」
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