執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

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「……なんだ。つまんないですよー」 つまらないって…… それがホントだったら僕はここにはいないで檻の向こうに入れられていただろう。 「……まあ、普通のテレビゲームですよ!悪かったですね。従兄弟のシュミレーションゲームとか育成ゲームが異常なまでのスコアだったんですよ。ほら、知りません?『バカ殿の野望』とか『ジオットモンスターズ』とかです。40分ちょっとやっただけでバカ殿様は全国の覇者になってジオモンは30分で理想パーティができました。レベルもパーフェクトです。『家族スタジアム~夏の甲子園編~』っていう野球ゲームなんて甲子園10連覇も出来ちゃいましたもん」 そう、ほんとに異常なまでだった。 ほとんどのゲームは最初のパラメーターなんかは結構低い。でも僕はそこから上げるのが異常に早かった。 それに何より弱い奴を育てて特徴を伸ばし強くする。 自分ができないことを代わりにやってくれているようでとても楽しかった。 「でもそれってゲーマーなだけじゃないんですか?私もジオモンやりますけど30分でパーティ完成させるなんてありえないですよ!あとゲームは一日一時間ですよ」 思わぬところで突っ込みが入った。 ゲームは一日一時間なんて買ってもらった時は親と守るけどあとあと関係なくなってくるよね絶対。体験者が言うんだから間違いない。 「それがゲームだけでもなかったみたいで。いろんなことに手を出して上手くなるためにはどうすればいいかって理論を頭にいろいろと叩きこんでたんです。自分じゃ実行はできませんでしたけどね。中学時代に学校のテニス部が全国中学校選手権大会にでれたのも自分がいてこそだと自負してます。なにせ万年支部リーグで1回戦負けのチームを練習法とアドバイス加えただけでみんながどんどん上手くなっていくのが分かりました。もちろんそこまでスパルタもやってませんし平均的な練習時間と練習密度とほんの少しのコツで県代表のチームまでのし上がったんですから」 これが実はホントの話。マネージャー同然だった僕のメニューとコツとアドバイス。これによって上達は素晴らしかった。 「それからその中学校いろんな部活まわりました。野球、ソフト、バスケ、バレー、美術、書道。すべて僕のメニューをこなして県代表とか行きました。でも上手くいかない時があって。どうやらある程度の実力者には僕の方法は合わないみたいで結果は伸びなかったんですよね」
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