執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

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もともと上の方にいるチームは上手くいかない。 弱いチームを強いチームにする。 強者を打ち果たす。 革命を起こす。 だから僕は『革命家』とよばれるようになったのだ。 「すごいですね。それで革命家なんですか。ホント尊敬します」 ああ、彼女の視線がまぶしくて痛い。 そんなたいしたものでもなかったのにねえ。 「すごくないですよ。いくら僕が力を尽くそうとも結果を出したのは選手。僕なんか使い捨てでした。必要な時に使われて要らなくなったらさようならでした」 だから僕はあまり他人を好きになれない。自分は都合よく利用されるだけ。だから自分に仲良く近づいてくる人は『革命家』だけ望んで『真田雄太』は望んではいなかったのだ。 直江は例外として。 あいつは俺と似た者同士らしい。自分で友達も彼女も金もないと言ってある日僕に友達になってくれと言ってきたのだ。そんなわけで今もあいつとつるんでるのだ。 今は軽く突き放されたが…… 「そんなことがあったんですか……で、でも!私はさな君のこととても素敵な方だと思いますよ!いい人ですし!」 慰めてくれてるみたいです。嬉しいことですね。 あんぱんを最後に一かじりして完食。 「ありがとうございます。今回は僕の方からやると言いだしましたし、やれることは全力でやることにします。それでは作戦会――」 そのとき。 鐘は鳴った。 昼休みが終わった。 「あ……」 「……ふふっ」 「ごめんなさい!お弁当も食べてないし作戦会議も全然進んで無いし。これは予想外です。また放課後に図書室に集まりましょう!今度こそ作戦会議です!」 「はぁーい。よろしくお願いしますね!革命家さん!」 お弁当を包みに戻し彼女は笑って去って行った。 悪い事してしまった気がする。放課後は話を進めなければ。 そう思い教室へと足を進めるのだった。
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