執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

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浅井さんの暴言と僕の反抗。織田さんが噂通りの人ならばみんな今日の朝の出来事で恐怖を感じて応援に参加してくれないだろう。毎回あんな風に殴り飛ばされちゃかなわないし僕と浅井さんのイメージも悪い。 「でもって場所ですが。いま立候補者は僕らを含めて8人います。生徒会の席は会長1つ、副会長男女1つずつ、書記2つ、会計2つ。計男女合わせて7つ空いています。今の状況だと僕らは入れませんねきっと。他が圧倒的支持を持つ派閥がすでに完成してるらしいです」 前年度の生徒会、部活のエース、学校の番長、天才さんと噂だけでもかなりの強敵がそろっているらしい。 この派閥相手に勝とうとは言わない。でも今回僕がたてるのは『勝つための戦の算段』だ。あの織田先輩に『勝つため』のだ 「長所、短所については僕よりも浅井さん自身で決めてください。あって数日の僕だと細かい長所短所まで分かりませんからね」 僕の話を必死にメモを取りながら聞いてる浅井さんに突然依頼する。いつもとは立場が逆転したように僕が喋り続け彼女が聞き続けている。 「長所と短所ですか…うーん」 彼女は悩み始めちゃいました。まあ確かに自分の長所短所って言われて考えるの難しいもんなぁ。あとなんか恥ずかしいしね。 「あ、すぐには大丈夫ですよ!明日、最低でも明後日までにはどんな風な活動方針と活動を行っていくのか決めたいので早く決めてきてくださいね!」 すぐには大丈夫と言っておきながら地味に催促する。潰されない程度の重圧と言うものが人間を活発に動かします。僕の経験上ですけどね。 「は、はい!頑張ります!」 そう言ってまたメモに視線を落とした。恐らく先程決めてきてと言った長所と短所の事をメモしているのだろう。しかし時間は惜しい。どんどん進めたい。 「いいですか?」 「えっ。ちょっと待ってください!あ、字間違えちゃった!消しゴム……消しゴム。よしっ。きゃ!シャーペンの芯が……ああんもう!」 「……はぁ」 前途多難。ドジっ子属性を発揮している場合じゃないんですけどね。 「……もういいです!自分で覚えます!」 ムキになったようでメモと筆記用具を机に叩きつける浅井さん。 「僕もフォローしますから完璧に覚えなくても大丈夫です。でもしっかり話は聞いててください」 「嫌です!全部覚えます!だから早く続きをお願いします!」 彼女は不思議なところで頑固だ。まあ話を進めようか。
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