執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

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「な、なるほど」 正直確証はないが行けるだろう。もしアウトになるならば選管との口論だ。負けるつもりは無い。 「そして最後は『ツボを知ること』。つまりは有権者の心に響く演説や活動をするために有権者がなにを求めているのかを知ることです」 人の求めるところ――ツボを押す事が一番大事だ。 「だからって出来ないことを約束してはいけませんよ。そうなると今のどこかの島国のような状況になりますから」 「島国ですか……?」 「なんでもないです!」 出来ないことは約束せずに人のツボを押す。意外と難しいんだよねこれ。 「まあそれが僕なりの今回の選挙三原則です。どうですか?」 メモを止めた彼女は僕の方をやはりしっかりと見て話を聞いていてくれた。それにきずいた僕はあわてて彼女から目をそらした。恥ずかしいから仕方ないじゃないか。 目を見て話を聞くのはやっぱり苦手ですね。 そんなことを思っていると彼女は答えを口にしてくれた。 「す、すごいです!やっぱりさな君天才です!納得の理由です!わたし頑張ります!」 韻踏んでる?いいえ、無意識ですね。まあ、とりあえず僕の作戦――三原則に賛成してくれたようだから良しとしよう。 しかし大それた作戦だが成功しなければ意味がない。僕は少なくとも今の立候補者の中の最低一つ派閥を僕ら側に着かせなければいけない。そうしなければ派閥に属していない有権者をいくらかき集めても織田さんには勝てない。 「でもまずは何からすればいいんですかね?」 首を傾げて僕に聞いてくる彼女。選挙まで残りは2週間。時間ってのはあるようであっという間にすぐにやってきてしまうから注意が必要だ。さてどうしようか 「さっきの話で自分たちの現状は知れました。あなたが自分で長所短所を考えることにして今やるべきは敵――他の立候補者を知ることですね」 「でもどうやってやるんですか?人に聞くにしてもそれだと情報は限界がありますしまさか本人に聞くわけにもいかないじゃないですか!選挙活動どうですかなんて」
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