執行部誕生編~生徒会への加入とその経緯についての考察~

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ん?何を言ってるんだこの子は。 「本人に聞くに決まってるじゃないですか。情報は足で稼ぐ。これ鉄則ですよ」 そういうと彼女は唖然としていた。これがきっと性格の悪い人ならば僕は罵倒されてさっきのメモのように叩きつけられていただろう。でも浅井さんはそんなことはしない。きっと。 「で、でも私……立候補者の相手の人となんか絶対に話せませんよ!は、恥ずかしいですし…」 あの朝の饒舌ぶりは何だったのだろうと思うが彼女は基本的には『無口』な部類だと自分で言っていた。僕は無口の概念を改めなければなりそうだ 「うーん。ホントはあなたがやれば一番なんですけど。まあ、僕がやりますよ。後ろから見ててくださいね」 「は、はい!」 元気に頷く彼女の顔はきっと見るものすべてを虜にするような可愛いものだったのだろう。まあ、僕は彼女の顔は見ていないので推測の話だ。相手の目を見ながらなんて良くできるよなぁ。 僕は基本的には相手の顔の後ろのものに焦点を当てて話している。それか他の物体を見ている。最低でも口を見るだけだ。目なんか絶対に見れない。 シャイでも人見知りでも無くただ単に『初対面や女性の目を見て話すのが恥ずかしいだけ』です。ここ超重要ですから。 さてと、放課後の時間は始まったばかりだ。なるべく早く聞き終われば早く対策を練れて早く選挙活動ができるからやはり早さと言うものは重要だ。僕は選管から渡された出された――今朝配布された――立候補者名簿に目を落とす。
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