3人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
関ヶ原高校玄関
時間的に下校にはまだ早いので人は少ないが部活に行く生徒などを捕まえることができるだろう。人を探して歩き回るよりも通るところで待っていたほうが効率的なのは目に見えているだろう。
さてそこに一人。昇降口の外にいる少女を中から確認することができた。
「あれ誰だか分かります?」
僕はわりとこの学園の生徒のことには疎いので後ろから付いてくる浅井さんに聞いた。浅井さんは目を細め外を見る。僕が彼女を見る限りでは、性別は女の子。薄い茶色の腰まである長い髪が印象的だ。
「うーん……女性ですから……多分北条さんだと思います」
北条怜――僕らと同学年の二年生だ。一人目が二年生だとはちょっと嬉しい。いきなり先輩と会うのもちょっと僕でも気が引けていた。まあ、別に先輩でも同学年でもやることは変わらないのだが。
「行きましょう。靴に履き替えなくてもいいですよね?めんどくさいですから」
げた箱を出てすぐのところにいるのだから別にめんどくさいしいいよなぁと思っていると
「だめですよ!ちゃんと履き替えないと!」
「……はい」
浅井さんに怒られてしまったのである。
最初のコメントを投稿しよう!