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後ろにスッと避けるととび蹴りの勢い余ったまま彼は玄関の扉にぶつかりました。すごく痛そうな音がした。
一応声をかけてみる
「あのー平気ですか?」
すると彼はきれいな回転でクルットまわり北条さんの前に立つ。背は僕より大きい。畜生見下してんな。
「お前ら!お嬢になにをした!」
かなり頭に血が上ってます。てか頭から血がでてます。
まあ、正直に
「偵察です!」
って言ったらどうなるのだろう。てかこいつ誰?
「うん、その前に名乗ろうか。僕は真田雄太。こっちは――」
「浅井市夜です」
ぺこりと頭を下げる彼女。
謎の男は息を荒くしてこちらを見ている。まるでボディーガードのようだ。いや、実際にボディーガードなのだろうか?さっきも『お嬢』と呼んでましたしね。早く彼の素性が知りたい……
「こちらが名乗ったんですからあなたも名乗るのが礼儀ってもんでしょう?」
「ずいぶん無理やりな礼儀作法ですね……」
「浅井さん、少し静かに」
突っ込まれたけど僕へこたれない。彼は息を荒くしたまま口を開く
「関ヶ原学園!2年Eクラス所属!風魔佐吉(ふうまさきち)だ!お嬢のボディーガード兼雑用係兼今回の選挙の責任者だ!文句あるのか!」
風魔と名乗る彼。どうやら本当にボディーガードだったようで……
確かに身体能力は高そうだ。さっきのとび蹴りを見ればなんとなく分かった気はする。
そして責任者か。彼は見たところ相当北条さんを信頼してる。まあ、ボディーガードなんだから普通か。責任者ごとこっちに引っ張り込めば上手くいくと計画しているので彼がいる北条さんサイドを引きずり込むのは難しいでしょうね。まあ、20人くらいの派閥ならまだ恐るるに足りませんね。無党派が半分と考えて全校生徒約1000人の残りの500分の20ならまだ何とかなりそうですね。
ただこの彼率いる派閥の人たちがものすごい勢いで無党派を派閥に引き込んだら怖いですが……
以上、北条に対する僕の考察(この間約3秒)
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