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すると竹中君は一瞬なにかを考えたようで。そして先程のような笑顔に戻ると
「1000人」
と面白くもない冗談を飛ばしてきたのです。下手に出てりゃいい気になりやがって。
浅井さんが僕の肩を叩いてくる。
「あの!あの!今千人っていいましたよね!千人って言いましたよね!」
となんか興奮してます。それより、冗談とわかってませんねこのお嬢さんは。
「面白い冗談でした。それでいったい何人なのですか?」
とりあえずは浅井さんを無視して竹中君と話を進めようとする。
「何でそんなこと知りたいのさ?」
「参考にしようと思いまして」
「なんの?」
「選挙活動のですよ」
「ふーん。全員の候補者に聞いてるの?」
「そうする予定です」
「あとさ」
「なんでしょう」
「俺、同級生の癖に敬語で話す奴ね。嫌いなの」
「…………そう……か」
いきなりの嫌い宣言。下手に出る作戦は必ずしも無敵では無いのです。
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