『山姥』

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『山姥』 女人禁制のこの山は野の実りを産んだ女神の遺骸で出来ているという。山姥様はその使い。 彼女の包丁が私の下腹部を無造作に裂き、役立たずの子宮を引きずり出す。 血に濡れたそれは山姥様によって赤子に作り変えられる。 だが、私がその子を抱くことはない。閉じられぬ腹の傷からは血がどくどくと溢れ続ける。 命と引き換えに子を成す。それがこの山の役目なのだ。
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