『木霊』

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『木霊』 愛したあの方は木霊でありました。 山にて一等太い木の精だったのです。 私はあの方と一身になりたいとあの方の皮を煎じて飲みました。 今やその木を抱くように茂る蔦がわたくしでございます。 父(とと)様、木の虚に居るは父様の孫にございます。どうか丈夫に育ててくださいますよう。
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