1.私立中学潜入

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駐車場の車に向かいながら、瀬織は小声で、刃平の耳元に 「車に盗聴器とか細工されてる可能性もあるから、しばらく黙ってて。」 とささやいた。 だが、車に乗ってエンジンをかけた時点で、瀬織は 「大丈夫。怪しい電波は感じない。何か発信されてれば、電波を気として感じるから。」 と説明した。 刃平は、はぁっと息をついた。 車は走り出す。 瀬織が話しはじめた。 「予定外だったけど、あのケンカは結果オーライね。」 刃平はあまり耳に入っていない。瀬織の方を見ないようにしている。 瀬織は運転しながら話し続ける。 「あなたは対策委員に入れるはず。アタシの予想通りなら、多分。 情報を取りやすくなるよう、あの佐久原って子には悪いけどうまく利用させてもらう。」 刃平は、瀬織が自分を興奮状態にした理由がわかった。佐久原の印象をさらに良くするためだ。 しかし、ここでうっかり瀬織を見てしまった。目が離せなくなった。 それでなくとも色気が出過ぎている瀬織なので、刃平の心臓がバクバクして息が荒くなる。 もはや発情した犬のようだ。とにかく瀬織に飛び掛かりたい衝動を押さえ付ける。 瀬織はさらに話す。 「あと、これから…ん?」 瀬織は刃平の異常に気づいた。 「あ。こりゃいけない。忘れてた。」 ひょいと刃平の股間に手を乗せて気を若干吸い取った。刃平は 「ぁふ~」 と意味不明な声をあげて普通に戻った。 瀬織があはははと笑う。 「ゴメン。佐久原南奈とお近づきしてもらいたくて、発情させたままだったわ。」 「笑い事ぢゃないよ、人間やめますか状態だったんだから。」 「アタシという麻薬にハマルと、廃人になるって言ったのわかった?」 「気を注入するのは封印してよ。誰彼構わず襲いたくなる。」 「任務遂行中の行為は法に問われないから、女性襲っても社会的にバレなければOK。 ウチはホラ、非合法活動だから。」 「今は!姉さんに手を出しそうだったからマズイの!」 瀬織がうれしそうに、うふふふと笑った。
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