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「面白い。面白いわ、それ。そういう気持ちがあるってことは、女として見てるってことだもんね。
じゃあこうしましょう。
アタシをいつ襲ってもいいわよ。」
「い?」
「寝てるときにのしかかろうが、尻から襲おうが、OK。ぶん殴ってももちろんヨシ。
道具は刃物や棒の類と、手錠やロープは認める。
アタシを意識不明にするか、子種を注入できたらあなたの勝ち。
で、どう?」
「子種を注入って…」
刃平がちょっと赤くなった。瀬織は構わず指を立てて横に振った。
「ただし、人質とかはダメね。めんどくさい。」
刃平はぞっとした。
「いずれにせよ、割に合わない反撃喰らう自分が容易に想像できる。」
「そりゃあそうだわ。修行のためだから。」
「それは何の修行だと?」
「…ん~何だろ…格闘?」
「単なる思い付きだね。」
「そう。面白そうだから。遊び。」
「遊びにしては超ハードなんですが…。」
刃平はそう言ってはみたものの、瀬織の細い体には不釣り合いに豊満な乳房に興味がある自分に気づき、自己嫌悪した。
(早く性欲の枯れたじいさんになりたい…)
まだ若い刃平は、歳をとれば性欲がなくなると思っていた。
瀬織が、思い出したように
「ああ、そうだ。ドジコが内容を教えてくれなかった予知って、多分、あの佐久原てコと手をつないでるあたりの場面だと思うわ。」
「あ!…なるほど…」
刃平はふと思った。
(僕は、将来的にもドジコには隠し事ができないのではないか?)
思い出したように刃平は瀬織に聞いた。
「ドジコは僕と会ったばっかりで、なんであんなに、その、親しげつうか…なのかな?」
「ああ、完全に惚れ込んでるものね。
あなたの身辺調査書を穴空くほど読んでたから、未来の旦那様に脳内恋愛をずーっとしてたんじゃないの?
でも、あのいれこみ様は、確かにちょっと行き過ぎかもね。もしかして、あなた、隠れモテモテの要素があるのかしら?」
「いや、それは、ないさね。」
「そうかしら。ワタシはそうは思えないけどねえ…」
瀬織は思わせぶりに言ったが、それ以上は言わなかった。
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