4.盗聴

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刃平は自分がやろうとしてることが国防なのだと、認識した。 「そうか…」 「それと、表に出ない組織、法外な予算、活動も法の外、戸籍も偽造、名前も偽造、私達は法外の人間なのよ。 その意味は自覚しなさい。 こういう世界の住民なんだから。 でも、相手を皆殺しにすればいい!ってものではないでしょう? あなたはあなたの正義を持たないと、力に振り回される。 我々は評論家ではないの。」 刃平はわかっていたつもりで、わかってないことに気付き、黙り込んだ。 瀬織が話しの方向を変えた。 「そのかわり、いいこともある。 敵に、カネや女で買収されないようにそこは充実させてるし。 だから中学生だろうが問題ない。 安心して本能の命ずるままに、ドジコ達を妊娠させていいのよ。 さあ、今夜あたり、やっちまいなさいよ。」 「なぜそこに話しが行くの!いいことってソレかい。」 校長宅の付近に着いた。 幸い校長宅はコンビニエンスストアの斜め前のため、瀬織はクルマをコンビニの駐車場に入れた。 まだ朝の7時30分であり、動きはない。 瀬織は刃平に 「玄関に注意してて。」 と言うとシートを倒して横になった。 刃平はしばらく注視していたが、30分もするとあくびが出始めた。 それに気付いた瀬織がシートを起こした。 「刃平ちゃん、もし校長が出て来たら、盗聴器を付けて欲しいんだけど。」 「どれ?」 「これ」 瀬織が出した手の平に、ひまわりの種のようなものが乗っていた。 よく見ると表面にとげのようなものがたくさん生えている。
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