4.盗聴

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「あのー、姉さん? それ投げて校長の服に貼付けろと言ってる?」 「そうね。」 「無理。近づかないと。」 「それはばれるから、離れて後ろから。」 「物理的に無理。」 「じゃあアタシがやるか。 まあ今後、諜報活動もあるから参考にして。」 刃平はまだ何も知らないことを知った。 このサイズの盗聴器があることも驚いた。 瀬織はサングラスにマスクという怪しいスタイルで、コンビニで買い物をしてきた。 クルマに戻るとコーヒーの臭いが立ち込めた。 「はい。」 カップのコーヒーを刃平に差し出す。 「ありがとう。」 コーヒーを受け、飲みはじめた。 瀬織もコーヒーを飲みながら 「張り込みは退屈よね。」 と漏らす。 刃平は、この際に聞くことを考えたが、ありすぎて困った。 「姉さん、僕、考えたらこの数ヶ月、あまり勉強してないから、多分試験とかやったら、どえらい点数になりそう。」 「あーまあ、いいわ。適当にやれば。 魂仙手が身につけば、二ヶ月で大学生くらいまでの教養はすぐ取り戻せるから。 脳が活性化するからね。」 「あとお願いがひとつ。」 「わかってるわよ。次の夫人候補は今探してるから。」 「いやそーじゃなくて、カネがないの。」 「…は?」 「明日のデートの電車賃もない。」 「あらあら、忘れてた。 いくら欲しい?中学生の小遣いて普通いくらかしら。 月10万円くらい?」 刃平はぶったまげた。 さっき脳が活性化してるとか言う割にソレかよ!と突っ込みたいが我慢した。 「普通、いくらよくても5千円くらいじゃないかな。」 「あ、そう。じゃあ1万円からね。でも明日のデートのためには10万円渡しとくか。 使い切ってね。カネの使い方も覚えなきゃ。 アタシが管理してるあなたの稼ぎから出すんだから、気にしないで使いなさい。」 「え?僕に給料あったの?」
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