4.盗聴

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昼になり、刃平はコンビニで食料を買い込んだ。 弁当8個、缶コーヒー2本、2リットルペットボトルの茶、おでん、調理パン7個、フライドチキン5個だった。刃平の食べた弁当1個とフライドチキン1個、缶コーヒー1缶以外は瀬織の胃袋に文字通り消えた。 夕方、暗くなるころ、校長が出て来た。 ラフなジャケットに着替えており、携帯電話をかけながらクルマに乗った。 携帯電話を切ると、校長はクルマを出した。 瀬織は 「こんな時間からどこ行くってのよ。夜遊びはほどほどに。」 と愚痴りながら追跡を始めた。 校長が向かった先は、私鉄の駅に近い街中だった。 大きめのカバンを提げて小洒落たダイニングバーに入っていく。 瀬織は 「あちゃー!」 といいながらクルマを駅前駐車場に入れた。 刃平も気付いた。 二人が店に不用意に入り、校長と鉢合わせしたら終わりだ。場所が悪い。 瀬織は 「アタシが店の混み具合を店員に聞くフリして、覗いてみるわ。」 と言う。刃平が心配した。 「顔がばれないよう、サングラスにマスクして行くわけ?口裂け女スタイルで。」 「他のアイテムもあるわよ。」 瀬織はクルマの後部席のバッグから、牛乳瓶の底のような眼鏡と茶髪のカツラを出し、つけた。 刃平は首を横に振った。 「全然変わらない。 超美人丸だし。」 「えー?だめか。」 瀬織はカツラと眼鏡を外した。
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