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「校長、のみっこしましょう。アタシが一杯呑んだら校長も一杯空ける、いいでしょ?
百木先生は全然呑まないみたいだし、タクは子供だし、いっしょに飲む人がいないと面白くないの。」
校長はすぐにノッた。
「若い人みたいでなんだが、いいでしょう。」
瀬織は店員を呼ぶ。
「ビール、ジョッキで4つ、あと食べ物は、早いやつから持ってきて。」
30分後には校長の顔色が変わってきた。
片っ端から瀬織がツマミを平らげていく。皿や丼は20枚に届く。
ビールは校長、瀬織とも5杯目だ。
もちろん瀬織は校長がついて来られるよう、セーブしながら呑んでいる。
校長が聞く。
「呑むほうもなかなかだが、すごい食べっぷりですね。」
瀬織がオホホと笑う。
「いえいえ、食べないと調子がでなくて…ですわ。」
「普段からどのくらい食べられるんです?」
「人並みですわ。」
校長は
「御冗談を。」
と笑ったが、目が笑ってない。
そのうち本来の目的を思い出したようだ。
酒も日本酒に切り替わり、かなり酔ってきた校長が瀬織の素性を探りに出た。
「山田しゃんは若いのに、かなり裕福でしゅね。家族が、事業か何かで、だ、大成功されたのでしょうね。」
瀬織は
「そんなとこですわ。」
と、サラっと流した。
校長は、瀬織からは情報を引き出しにくいと見て、刃平に話しを振る。
「タクくん、やはり尊敬すら、れ、する人物は、お父さんきゃい?」
刃平は
「父?、ははは、尊敬ならしてます。」
とわけがわからない回答をする。
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