5.エベ流文化の浸透計画

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「校長、のみっこしましょう。アタシが一杯呑んだら校長も一杯空ける、いいでしょ? 百木先生は全然呑まないみたいだし、タクは子供だし、いっしょに飲む人がいないと面白くないの。」 校長はすぐにノッた。 「若い人みたいでなんだが、いいでしょう。」 瀬織は店員を呼ぶ。 「ビール、ジョッキで4つ、あと食べ物は、早いやつから持ってきて。」 30分後には校長の顔色が変わってきた。 片っ端から瀬織がツマミを平らげていく。皿や丼は20枚に届く。 ビールは校長、瀬織とも5杯目だ。 もちろん瀬織は校長がついて来られるよう、セーブしながら呑んでいる。 校長が聞く。 「呑むほうもなかなかだが、すごい食べっぷりですね。」 瀬織がオホホと笑う。 「いえいえ、食べないと調子がでなくて…ですわ。」 「普段からどのくらい食べられるんです?」 「人並みですわ。」 校長は 「御冗談を。」 と笑ったが、目が笑ってない。 そのうち本来の目的を思い出したようだ。 酒も日本酒に切り替わり、かなり酔ってきた校長が瀬織の素性を探りに出た。 「山田しゃんは若いのに、かなり裕福でしゅね。家族が、事業か何かで、だ、大成功されたのでしょうね。」 瀬織は 「そんなとこですわ。」 と、サラっと流した。 校長は、瀬織からは情報を引き出しにくいと見て、刃平に話しを振る。 「タクくん、やはり尊敬すら、れ、する人物は、お父さんきゃい?」 刃平は 「父?、ははは、尊敬ならしてます。」 とわけがわからない回答をする。
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