5.エベ流文化の浸透計画

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百木は気圧され、素直に話し出す。 「はい…そうなんですが…でも、仕方ないんです。逃げられないですから。」 瀬織は百木の前に座った。 「おおかた、あなたか、家族が、統創天会に借金でもしてるってところかしら。 あなた、エベルキン人?」 百木は涙を浮かべる。 「いえ、私も主人も日本人です。その主人が、統創天会に一億円ほどの借金を…主人は去年他界しましたが。」 瀬織はため息まじりに 「あなたもか。」 とつぶやき、さらに言葉を続けた。 「旦那の死因は?」 「心筋梗塞で…」 「怪しいものね。医者には誰が運んだの?」 「統創天会の支部の人が。 主人は会員で、統創天会の支部で倒れたので。」 「あなたね、お人よし過ぎ。旦那は殺されたの。」 「ええ?…それも疑わなかったわけではないのですが…まさか…」 刃平は、さっき瀬織のつぶやいた、あなたもか、という台詞が気になっていた。 瀬織は名刺を取り出した。刃平は瀬織の思惑がわかった。 「姉さん、それは…」 瀬織を止めようとしたが、瀬織の目が (大丈夫!) と言う。 そして百木に迫る。 「よし、ここで今すぐ決めて。 このまま校長のSM奴隷で生きるか、 アタシ達の側につくか。 アタシ達の側につくなら、校長との腐れ縁を切ってあげるし、借金の支払いもしてあげる。その他に給料は今の二倍払う。 見返りに、エベルキン組織内部のスパイをしてもらう。 どうする?」 瀬織は名刺を百木に渡す。百木は名刺をみた。 「…防衛省 技術研究本部 対静侵略研究室 …右道 瀬織…て、 山田シホさんではなかったのですか?」 瀬織は手を出して名刺を戻してもらう。 「そう。山田シホ、タクも、偽名。エベルキンのような侵略民族からの国家防衛が仕事。 あなたには特別に高い戦力となる能力は無いようだけど、男好きする身体がある。 だから悪いけど『女』を使う汚れ仕事がいくと思う。そこはあきらめてちょうだい。」
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