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昼休み、涼平に呼び出された。
キヨはしぶしぶ待ち合わせ場所の屋上に向かっていた。
話の内容はひとつだろう。
キヨは気が重かった。
……―――――――。
キヨが屋上についたとき、涼平は遅いと言わんばかりにしかめっ面で立っていた。
キヨ「で、話ってなに?」
キヨはわざとらしく言った。
涼平「わかってる癖に白々しいな。」
………―――。
キヨは無言でズボンのポケットに手を忍ばせ隠し持っていたカッターナイフを握りしめた。
………―――。
しばらく沈黙が続いた後、2人の沈黙を破ったのは涼平だった。
涼平「斉藤、お前はもう気づいてると思うけど一応言っておく。」
涼平は深呼吸をし何かを決意したかのような表情で続けた。
涼平「俺は市原さんが好きだ、誰にも渡したくない!斉藤、お前にも!」
キヨは不適な笑みを浮かべた。
キヨ「で?それを俺に言ってどうしたいわけ?」
涼平は不意をつかれたのか黙ってしまった。
しばらく黙り込んだ後、涼平は答えた。
涼平「お前と……お前と俺、どっちが市原さんに相応しいか、決着をつけたい!」
キヨ「で?決着つけて告白?自分勝手だな。」
無表情のまま答えた。
涼平は解せないとでも言いたげだった。
キヨはやれやれと言うように説明し始めた。
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