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「ふぅ・・・、これも違う・・・」
白衣を着た銀色の髪が特徴の青年。白手袋を両手にはめ、今にも破れそうな茶色い書物を閉じた。
「過去はすべて失われた・・・。今に目を向けろと・・・?」
独り言をつぶやく青年。
青年の周りには、無数のモニターと、電子機器がずらりと並んでいる。そのうちの一つのモニターに、一人の男が映し出された。
「こちらK。ターゲットを捕捉。やっと見つけた」
サングラスにスーツ、オールバックの巨漢から連絡を受けた青年。嫌に爽やかに笑った。
「ハハハッ、見つけた!目を向けるべき相手を・・・。僕の仲間になってくれることを願っているよ」
「追跡を開始する。探していたターゲットにしては、普通の高校生で拍子抜けだがな」
Kからの通信は途絶え、代わりに送信された画像がモニターにアップされた。
ママチャリで学校へ向かう、いかにも平凡な男子高校生の写真だ。
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