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その中のマドンナだったのがいのうえ美紀、本名は井東紀美枝で、男性陣はみんな彼女を慕っていた。
当然俺もそのひとりだったが、どうしてもアプローチできなかった。
それなりな恋愛遍歴の中ではじめての感情だったからかもしれない。
ある日、舞台の主役をやれと言われた。
突然の事であっけにとられたが、それがいのうえ美紀の一声という事で二度驚いた。
もちろん回りの男陣からは非難を浴びた。
こっちはこっちで大変なのに、言うだけなら楽なもんである。
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