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「…おはよ。」
一階へ降りてきた少女は母親に挨拶してテーブルへとついた。
母は少女と兄の弁当を作っている最中だ。
寝ぼけながらもこんがりときつね色に焼き上がったトーストを口に運ぶ。
ゆっくりと食べていると、台所から母の声がした。
「あんた今日入学式やねんから遅れんようにしぃや~!」
「わかってる。」
「あと、二階行くついでに陸起こしてきて!!」
「わかった。」
歯磨きと洗顔を手早く済ませ、着替えるために二階へあがる。
階段を上りきって自室と反対側の部屋に行き、軽くノックする。
「陸、入るで。」
ガチャ…
「何してんの陸。はよ起きな遅れんで?はいはい、起きて起きて!!」
陸は薄目をあけて「…うぅん?」などと言っている。
「早く起きて!!」
「………ぅん~…」
「早く起きろっつってんだろが!!」
陸の腹に蹴りを入れる。
「おぐふぅ×-¥$§@*%☆△!?!?!?」
陸は奇声を発しながら飛び起きた。
「げふっ…げぶっ、殺す気か?」
「………違うけど?」
「空白なげーよ、こえーよ。」
「まぁ、起きたからいいわ」
陸の部屋を後にして、自室へ向かう。
ハンガーにかかった真新しい制服に着替え、鏡の前で一回転した後一階へ降り、髪を整える。
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