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『中、読んだ。嬉しかったけど、すげー後悔した。 美咲の気持ちに何も気付いてやれなかった。 俺、何やってんだろってな。』 もう一度耳元に唇を寄せる。 『本当にごめん。初めから向き合えば良かったんだよな。』 胸の中の美咲が、フルフルと首を振る。 『私こそ・・ごめんなさい。何も知らなくて・・。』 『美咲は何も悪くない。気にするな。』 頭を撫でている俺の言葉に、顔を上げた美咲の目を見て、やっと確信を持てた。 それは俺と同じ思いを含んでいたから。 『私、悠輔の事・・・。』 言いかけた唇に人差し指を当てて遮る。 ここは男の俺が言うべきだ。 ・・・というより、隠し続けてきたこの思いを、やっと本人に言える事が何よりも嬉しく感じる。 『それは俺から言わせて。』 頷く美咲の瞳に視線を合わせる。 『美咲、お前が好きだ。もう一度、一緒に居てくれないか?』 やっと落ち着いた筈の涙が、また滑り落ちる。 『私も・・悠輔・・が・・好き。』 そう言うと、泣き顔のままフワリと笑う。 思い切り強く抱き締めた。 愛しい人から初めて真っ正面から言われた、最上級の言葉が胸を締め付ける。 今度は俺の耳元に美咲が囁く。 『もう・・・離さないでね?』 そんな可愛い事言いやがって。 『離せって言われても、もう離してやれないから。』 そう言って、お互いに笑いあった。 まだ涙で濡れている美咲を腕の中に閉じ込めたままで。 やっと一つになれた気がした。
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