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自宅に着き、荷物を家の中へ運び入れる。 キッチンでは美咲が、クローゼットでは俺が整理をした。 ある程度片付いた所で、コーヒーを煎れてソファーで寛ぐ。 勿論、隣には美咲が居て、その光景に笑みが零れる。 昨日までとは、いや今までとは違う。 強制ではなく美咲が自ら、此処に居ることを選んだのだから。 漸くスタートラインに着いた様な感覚だ。 一人、ほくそ笑んで居ると、美咲が肩に頭を乗せてくる。 腕を回し、その頭に頬を寄せる。 『お腹すいたね。何か作ろうか?』 思い付いたように口にする美咲に、口角が上がる。 『ずっと食いたかった物がある。』 そう言って、美咲の手を掴み歩き出す。 向かった先は寝室。 本当は触れたくて堪らなかった。 目的はわかっている筈なのに、素直に付いて来る美咲を不思議に思い、顔を覗き見る。 『抵抗しねーの?』 俺の言葉にニコッと微笑み、背伸びをしながら耳元に唇を寄せる。 『私も悠輔が欲しい。』 『おまっ!・・それ反則!』 思いも寄らない美咲の言葉に、顔がみるみる熱を持ち始める。 動揺を隠しきれない。 そんな俺を見て、ニヤニヤと口元を緩ませる美咲。 してやられた感が否めない。 美咲、いい度胸だ。 もう後悔しても遅いからな。 乱暴にベッドに押し倒し、唇を塞いだ。
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