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翌日になり、久し振りの美咲が作った朝ご飯を食べ、弁当を持って出勤する。
誠也さんにも報告したかったが、今日はなかなか捕まらず、結局帰宅するまで話すことが出来なかった。
また改めて話をしようと思い直し、美咲と隼人の店に向かった。
タクシーを降り、ドアを潜り抜ける。
中に入ると、電気も付いていなく辺りは暗闇に包まれていた。
『今日で間違いないんだよね?』
美咲の言葉に携帯を確認するも、やはり今日で合っている。
美咲の手を引きながら、足を一歩踏み入れると、急に明かりが付き周りからパン、パンと音がする。
驚く俺達の目に映ったもの。
クラッカーを鳴らす、誠也さんと泉さん、圭太、亜弥、沙織、隼人の面々だった。
固まっている俺達に、誠也さんが声を掛ける。
『上手くいって良かったな!今日はみんなでお祝いだ!』
それを合図に輪の中へ引っ張られる。
ビールを渡され、みんなでグラスを合わせた。
いい歳して、こんな事でお祝いって。
恥ずかしいと思っていたが、皆ただ飲みたかったんじゃないかと言うような盛り上がりようだった。
そんな中、誠也さんが、そっと耳打ちしてきた。
『これを企画したの隼人なんだよ。皆に声掛けて。俺もバレないように今日は悠輔を避けてたからな。』
だから誠也さんが捕まらなかったのかと納得した。
『ありがとうございます。誠也さんの助言のお陰です。』
そう言う俺に、片手を上げて皆の方に戻っていった。
それを見送り、圭太と話している隼人に『ちょっといいか?』と声を掛ける。
頷く隼人と少し離れた所へ移動した。
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