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中に入ると由佳莉は1人キョロキョロと周りを見回していた。
「どうかしたか?」
「お兄ちゃん黒い服着てるのに家の中は白なんだね」
竜崎の家は大きいと言うことを除けば普通の家と変わらない外見をしている。
家の中も真新しさが残っており白を基調としている。
家具や飾りなどは必要最低限しか置いていていない。
「家の中まで黒だったらいやだろう?」
暫く考え確かに嫌だとおもったのか頷いて返した。
確かに家の中が黒かったら住む気にはならないだろう。さすがの竜崎でもそれは嫌だったようだ。
「でもキレイなお家だね」
先程も挙げた通り見た感じは真新しい家と変わらない。それは新居と言ってもいいほどである。
「まぁ仕事の都合上家に居ないことも結構あるからな」
というよりも竜崎は家に居ることよりも外に居ることの方が多いのである。今回は近くの標的だったが標的が遠くに居ることもあるのだ。
そうなってくると竜崎はホテルなどに泊まる事になるので家を開ける事になる。
実状竜崎が家に居るのは寝るとき位の時だけである。
「お兄ちゃんはなんのお仕事してるの?」
「俺か?俺はな…」
もちろんここで殺し屋などと言う気は竜崎でもないと考えている。
もちろんそれは前川に散々言われたからと言うのもあるのも事実である。
なのでここは前川に言われたように言うことにしようと考えることにした。
「俺は悪いことをした奴を懲らしめに行く仕事をしてるんだよ」
「うわ~~カッコいい!!」
由佳莉は目をキラキラさせて竜崎に言った。
竜崎の言ったことはあながち間違ってはいない。
殺しの依頼をされるような人間は大抵が人には言えないような事をしてることが多い。
もちろん例外というのも存在するが先に言った事のほうがずば抜けて多いのである。
竜崎もそう言った相手を標的にしている依頼を受けている。
もちろん殺し屋自体が悪いことなのは竜崎や前川も分かっている。
しかし今はそう言っておくほうがいいだろうと言うのが前川の考えである。
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