出会い

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ピッピッピッ 少年は電話を手に取り誰かにかけている 「前川か?俺だ…あぁ、今終わった…ここの処理頼んだぞ」 そして少年は電話を切りその場を後にした 「今日も疲れたな…」 少年の名前は竜崎尚哉知る人ぞ知る殺し屋である 「前川も面倒な仕事ばかりよこしやがって…」 竜崎はそんなことを呟きながら帰途に着いていた 「ん?あれは…」 とある駅で竜崎はあるものを見つけたのである 「子供?こんな時間になにやってんだ?」 時刻は既に10時を回っている。普通の子供なら既に家に帰っている時間である 「見た感じは5歳くらいか?」 (いつもの俺なら通りすぎるんだけど…) 何故かその場で立ち止まってしまったのである 「しょうがねえか…」 そしてその子供に向かって歩き始めた 「おい…」 「え?あ、はい…」 「こんな時間にこんな場所でなにやってんだ?」 先程も挙げた通り時刻は既に10時を回っている 「えっと…ママをまってるの…」 「ママ?」 辺りを見回して見てもそれらしき人は見当たらない 「待ってるって…いつから?」 「お昼くらいから…です」 (昼って…今何時かわかってんのか?) そしてそれを聞いて竜崎は確信を持った (捨てられたのか…) 「うっ…ヒック…ヒック…」 その子供はいきなり泣き出したのである 「え?おい、ちょっと…」 (なんなんだよ…クソっ…こんなとき普通はどうすんだ?) 普段は殺し屋なんてものをやっていて子供と触れあう時なんてない竜崎にとっては今の展開はまさに解決不能の状態である (ほっといても他の誰かが見つけるだろうが…) ここで自分が何もしなくても誰かが見つけてくれるのは竜崎も分かっていた (とりあえずは…)
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