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「このお兄ちゃんがいい…」
由佳莉はそれだけ言って竜崎の裾をさらに強く握る
「何言ってんだ…俺に子育てなんて無理だ」
「それには同意するよ…それより竜崎君?」
「なんだ?」
「君は名前を名乗ったのかい?」
「・・・・・竜崎尚哉だ」
竜崎は由佳莉の方に向き直って名前を名乗った
「あ、はい」
「それで由佳莉ちゃんは竜崎君といたいのかな?」
コクッ
由佳莉は黙って頷いた
「これは竜崎君が面倒見るしかないね」
「お前バカじゃないのか?俺に子育てなんて無理だと言ったろ」
「でも本人が言ってるし…僕も出来る限りサポートするよ」
それを聞くと竜崎は由佳莉の方に向き直る
「断る」
「うっ……うわ~~ん!」
それを聞いた由佳莉が遂に泣き出した
「ちょっ…なんだよ急に!前川何とかしろ!!」
「それは僕には無理だね、まぁ君が面倒見ると言えば泣き止むよ多分」
これは竜崎にとって究極の選択である
「おい…」
「うっ…ヒック…はい」
「そんなに家に来たいなら好きにしろ、ただし俺はまともに面倒みきれんかもしれんぞ」
「いいん…ですか?」
「お前の人生だ、お前の好きにしろ」
「はい!」
それまでの泣き顔が嘘のように由佳莉の顔は笑顔だった
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