ことの始まりからお話ししましょう。

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   バタンといつもの溜まり場のドアを開けて、俺が目にしてしまったのは。  同期のフツメン、田辺(タナベ)。  そんで、その股ぐらに顔を埋めていたのは、同じく同期の女、操(ミサオ)。  いや、男の股ぐらで男がそんなんしてたら、俺はノンケだからビックリどころの騒ぎじゃないんだけど。  二日酔いでまだ揺れてる頭のままだったら、夢だと記憶から追いやることもできただろうに。  爽やかな陽気にいい具合に浄化されていて、悲しいことに俺の頭はやたら冴えていた。  昔の無声映画のように、今も脳裏に焼き付いて離れない。  信じられるか。  あれからもう8年も経つんだぞ。  その間とんでもなく色々なことがあって。  人間やめてやろうかってレベルの修羅場もそれなりに経験して。 .
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