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俺が強かな早歩きで教室に着いた時にはもうチャイムはとうに鳴り終わり、教壇では先生が喋っていた。 俺は申し訳なさそうにして席に戻る。 普段はお気に入りの席だがこんな時はとても遠く感じた。 お咎めも無く席に着いた。 黒板を確認するとそこには数式が書いてある。 一時間目は数学か。 俺はポケットから先生に貰った紙を取り出した。 まだまだ進級したての新学期だ。そんな難しい事は要求しないだろう。 よって今は授業を聴くより委員会選びの方をさせて貰おう。 一応言ってはおくが、俺は確かにアメリカから来た学力を期待して貰っては困る。 俺が通っていたのは日本人学校だったからカリキュラムもこっちとさほど変わりはしない。 つまり、俺のオツムの出来はここの生徒とほぼ一緒だ。 まぁ流石に英語には自信があるが。 と、まだ見ぬお友達に注釈させて貰う。 俺が取り出した紙には委員会名が何個か並んでおり、その下にはそれぞれの活動概要が書かれている。 これがまだ入る余地がある委員会らしい。 一つずつ見ていくか。 嫌な予感はプンプンする。
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