tyun-ing!!

「１」

「待て」

蹴り損ねてしまった。
なんだ？今日はよく人に声を掛けられるな。

例によってそちらを見やるとそこには・・・

女生徒(？)がいた。

なぜ疑問系なのかというと
この人、物凄くナイスバディ・・・いや、大人っぽい。

どこかの大企業の社長秘書みたいという表現が適切だろうか、又はやり手の女弁護士。
とにかく働くオンナといった印象だ

制服を着ているという事はウチの現役生徒なんだろうが・・・

そして見た目だけじゃない。吉野さんとシチュエーションは似ているものの、なんというか、放つプレッシャーが違った。

吉野さんが何者にも屈しない凛とした雰囲気ならこの人は全てを切って棄てる様な鋭い雰囲気。

一体そんな物騒な人が俺に何の用だ。

ちょっとのにらみ合いの後、彼女が口を開いた

「お前、今ここで何をしようとした？」

何って教室に向かおうとしたんだが・・・

早くこの人との話を終わらせたい、俺はすぐにそんな願望が湧いて出てきた。

授業に遅れるからっていうのもあるが、なんていったってこの人、とても恐い。

「私が訊いているのはお前が教室に向かう為に、どの様な手段を用いようとしたのか、だ」

相変わらずさっきと同じ調子で聞いてきた。

どんな手段ってクリス直伝のランだ、何なら40ヤード計ってみるか？

今なら4.39秒は出せる自信がある。
今すぐアンタから逃げたいからな。