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≪翌日 王の城≫
王「………来たか、魔王よ。ふふふ、覚悟はもう済んでいる」
魔王「……覚悟? 覚悟とはなんの覚悟だ?」
王「我々王族は、一族全て公開処刑であろう。その覚悟は済んでいるといったのだ」
王「さあ、早く、拘束ししょっ引くがいい。しかし、刑は早めに執行してくれ。生き恥は晒したくないのでな」
魔王「………ふふふ、とんだ勘違いだな。人の王よ」
王「なに?」
魔王「我々は、そんなことをするつもりなど微塵もない。興味がない」
王「なんだって……。ならん! 民に手を出すのは王として許さん!! 辱めるのならば、我々だけに……」
魔王「それも勘違いだ。我々は王族にも貴族にも、勇者軍にも人の民にも手をかける気は無いのだ」
魔王「………む、だが、貴族だけは爵位を取消させてもらおうか。彼らは、名も無きただの民へと戻るのだ」
王「…………なにを考えている、魔王よ?」
魔王「繁栄だよ」
王「繁栄……じゃと?」
魔王「そう、我らと人の、世の終わりまで続く新しい繁栄だ」
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